札に望みを吹き込む
録音された希望や目標は、手をあわせることで再生され、初心を思い出させてくれます。ひとつの望みが達成されたら、新しい望みを録音した札と交換することができます。
「祈り」という言葉には、祈願、願いごとが叶うように思いを込めるという意味があり、人々の希望もこの中に含まれています。この提案では、人々の願いを無意味にしたくないという考えを出発点として、祈りを記録しています。祈り、決心を肉声で録音し、その言葉が未来に何度でも音声で再現され、人が自分の初心を忘れないように励まします。
祈る時、人は手を合わせます。この行為を操作の契機とすることで、祈りの行為が自然とデバイスの作動につながります。形状には願いごとを託すことから絵馬、七夕飾りのイメージを取り入れました。
録音された希望や目標は、手をあわせることで再生され、初心を思い出させてくれます。ひとつの望みが達成されたら、新しい望みを録音した札と交換することができます。
仏教にそのルーツをもち、広く神仏の目に見えない力への畏敬の念とともに今に受け継がれてきた合掌には、「Embodiment of gratitude for invisible supporting working.」(目には見えないはたらきへの感謝の体現)という意味があります。この感謝の体現が習慣化している日本、アジアの精神文化から、WISHを作動させるアクションとして手をあわせる行為を採用しました。
願い事を叶えるために絵馬や七夕の短冊を「掛ける」という行為から着想を得て、願いを録音した札をスタンド部分に掛ける形状にしました。コンセプトと操作方法に合わせて考えた外見です。木を選んだのも絵馬に近いイメージからで、台座の下にアクリルをつけて光らすことで、インタラクティブな機能を強調しました。
素材
木、アクリル板、ステンレス棒
サイズ
φ120×225 mm